着物には“格”がある！どんな時に着用すべき着物なのか各種着物を徹底解説！

多くの人は“着物”を着こなすために大事な事は、着付けであると考えています。
それは間違いではありませんが、同じくらい大事な事があります。
それは、“TPOに合わせた着物選び”です。
着物と一口に言っていますが、着物には“格”があり、TPOに合わない着物を着てしまうと恥をかいてしまうのです。
この記事では、TPOに合わせた着物選びをするために、各種着物について詳しくご紹介します！

着物の格

まず最初に着物の格について解説します。
着物は大きく分けて、格の高い着物と格の低い着物な分ける事ができます。
格の高い着物が“フォーマルな着物”で、格の低い着物が“カジュアルな着物”です。

フォーマルな着物

結婚式やパーティーなどの礼装として女性が着用するのが、格の高いフォーマルな着物です。
フォーマルな着物は基本てには、素材として“絹”を使用しています。
更に、色や柄は織りあがった真っ白な生地に後から染めるという手間のかかる「後染めの着物」となっています。

フォーマルな着物と一口に言っても、柄の違い,紋の有無,紋の位置などによって更に細分化されて格に違いが生まれます。
最も格の高いフォーマ・オブ・フォーマルな着物を「第一礼装」といい、セミフォーマルな着物を「第二礼装」と言います。

カジュアルな着物

オシャレ着や普段着など、カジュアルな場面で着用するのが、格の低いカジュアルな着物です。
カジュアルな着物は木綿やデニムなど素材の種類が数多くあります。
また、基本的には素材を色付けしてから織り上げる手間のかからない「織りの着物」となっています（江戸小紋・小紋は除く）。

第一礼装について

成人式,結婚式やパーティーなどで着用すべき、フォーマルな着物の中でも最も格の高い正装を第一礼装といいます。
既婚や未婚などで着用すべき着物が異なるので注意してください。

第一礼装にカテゴライズされる着物一覧

第一礼装にカテゴライズされる着物は以下のように四種類あります。

・黒紋付
黒一色の無地に五つ紋が入っている着物が黒紋付です。
第一礼装を代表する着物であり、既婚や未婚問わずに着用できます。
黒紋付は結婚式などの華やかな場所だけでなく、葬式のようなしめやかな場所でも着用できます。

・黒留袖
黒留袖は黒の無地に五つ紋が入っており、裾部分には絵羽模様が入っています。
結婚式などの“人生の通過儀礼”といえる華やかな場所で既婚女性が着用する着物となっています。

・色留袖
名前の通り、黒留袖を“黒以外”に染めた着物が色留袖です。
結婚式などの“人生の通過儀礼”といえる華やかな場所で着用する着物ですが、既婚や未婚問わずに着用できます。

・振袖
長い袖や華やかな色や模様が特徴的な着物が振袖です。
成人式,結婚式やパーティーなど華やかな場所で未婚女性が着用する着物となっています。

第二礼装について

女性が成人式,結婚式やパーティーなど華やかな場所で略礼装として着用するセミフォーマルな着物が第二礼装となっています。

第二礼装にカテゴライズされる着物一覧

第二礼装にカテゴライズされる着物は以下のように四種類あります。

・訪問着
上半身や裾部分に絵羽模様が入る事に特徴のある着物が訪問着です。
華やかな場所で既婚や未婚問わずに着用できます。

・付け下げ
全ての柄を上を向くように染めている事に特徴のある着物が付け下げです。
華やかな場所で既婚や未婚問わずに着用できます。

・色無地
無地一色で染められている着物が色無地です。
既婚や未婚問わずに着用てき、紋があれば華やかな場所で略礼装として着用でき、紋がなければ普段着として着用する事もできます。

・お召
御召縮緬とも呼ばれる、華やかな場所での略礼装として既婚や未婚問わずに着用できる着物です。

カジュアルな着物

オシャレ着や普段着として着用するのが、カジュアルな着物です。
カジュアルな着物だけあって、既婚や未婚問わずに着用できます。

カジュアルな着物にカテゴライズされる着物一覧

カジュアルな着物にカテゴライズされている着物は以下のように三種類あります。

・江戸小紋
生地全体に単色の細かな柄が入っている着物を江戸小紋といいます。
柄が非常に細かいので、遠目に見ると無地に見える事に特徴があります。

・小紋
生地全体に細かい模様が入っている着物を小紋といいます。

・紬
色糸で織った絹織物の着物を紬といいます。

浴衣

以外と知られていない事なのですが、着物に必須な肌襦袢などを使用せずに着用する“浴衣”も着物の一種となっています。
当然ながらフォーマルな着物ではなく、カジュアルな着物にカテゴライズされています。
しかし、肌襦袢を使用しないだけあって江戸小紋,小紋,紬よりも圧倒的に格が低くなっています。